
次男は、あいかわらず学校に行きたがりませんでしたが、サドベリースクールに通うのが楽しいようでした。
「あと何日学校に行けばいい?あとどれくらい我慢すればサドベリースクールの日?」
サドベリースクールの体験日を楽しみに、学校に通っていました。
そして、体験日には1日中おもいっきりYoutubeで動画を見て、スッキリした顔で帰ってきました。
「あそこだったら、ぼく寂しくないんだ」
学校に通っているときと比べて、晴れやかな顔になっていく次男。
そんな次男を横目でみつつ、私はものすごーく複雑な感情でいました。
このまま、学校に行かなくなってしまっていいのだろうか・・・?
サドベリースクールに通ったとして、この子の将来はどうなってしまうんだろうか・・・?
最悪、ひきこもり!?
30代、40代のおっさんになっても働きに出ず、うちで養うなんてことになってしまったらどうしよう・・・?
よくある「ひきこもりルート」を想像してしまい、気が重くなるばかり。
サドベリースクールは、“逃げ”にならないだろうか?
“逃げ”をここで選択して、一生逃げ続ける人生になってしまわないだろうか?
サドベリースクールという、非常識な道を選ぶことに不安が募っていきました。
そこで、サドベリースクールの存在を教えてくれたセラピストさんにお願いして、『実際にサドベリースクールに子供を通わせているお母さん』と話をする機会を作ってもらいました。
そのお母さん(以下、 Tさん と呼ぶ)は他県に住んでいる人だったので、スカイプで話をしました。
Tさんの子供は中学2年生と小学4年生で、「中2の長男は小5でいじめにあって不登校になり、サドベリースクールに通うようになった」とのこと。
私は、Tさんに疑問をすべてぶつけました。
- 息子がサドベリースクールに通うことになりそうだけれども、不安が大きいこと。
- 読み書きや計算を教わらずに大きくなって困らないのか?
- やりたいことばかりやっていて、本当に大丈夫なのか?
Tさんは、ひとつひとつ丁寧に答えてくれました。
●うちの次男のように「自分のやりたいことがはっきりわかっている子」は、サドベリースクールが合っていること。
●時がきて、子供自身が「これは必要だ!」と感じれば、勝手にやりだすこと
(中2のお子さんは、ゲーム好きからプログラマーになりたい!と思ったときに高校受験を考えはじめ、受験勉強を勝手にはじめた)
●やりたいことをやっているからこそ、やりたいことを貫くために将来を真剣に考えるということ
●会社にやとわれずに稼ぐ方法もあるのだから、学歴はあまり気にしなくていいこと
(Tさんはシングルマザーで個人事業主。仕事を自分で作り上げて生計を立てていたので、会社に依存しない生き方もあると教えてくれた)
Tさんのお話を聞いて、サドベリースクールに通うことへの不安は、少しずつ軽くなっていきました。
「そうか、うるさいこと言わずに子供の人生は子どもに任せればいいんだ。
私自身も、親に口うるさく言われたことは嫌々やってたしな。
自分で『やろう!』と決めたことなら頑張れたな。 」
と、納得しました。
また、自分の過ちにも気づかされました。
Tさん。そして、サドベリースクールの考え方は、「究極的に子供の生きる力を信じること」。
私は、次男に対して、「誰からも愛される子で、成績もよくて、将来お金に困らない生活をしてほしい・・・」と思っていました。
だから、次男のことを「どうにかしなくちゃ!」と思っていたし、そのために子育て講座を受けたりしていた。
私の「思い通りの、理想の子供にする」ために。。。
私は、私の勝手な理想像を、子供に押し付けていたんです。
次男には次男の人格があるのに、私は次男のことを全く見ていなかった。
見ようともしていなかった。
そんな自分の愚かさに気付き、恥ずかしくなりました。
何が親だ!何が「私は子供のことを想って」だ!
これまで「なんで私の言う通りの子供にならないの!」と、次男の人格を否定し続け、傷つけてきてしまった。
私は・・・最低な母親だ・・・
自分の愚かさにめまいがして、母親としての自信が一気になくなり。
申し訳なさから、消えてしまいたくなりました。
だけど、「母親をやめる」なんてことはできない。
投げ出すことなんてできない。
だからこそ、変わろうと思いました。
子供の人生を思い通りにコントロールしようとする親から、子供が自分で選ぶ人生を応援する親へーー
ここから、母親としての孤独な戦いがはじまっていきます。
(つづく)
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6.不登校を取り巻く現実。「息子の意思を尊重」はクレイジー?
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