5.不登校を認める?フリースクール1本でいいのか?母親の葛藤

 

次男は、あいかわらず学校に行きたがりませんでしたが、サドベリースクールに通うのが楽しいようでした。

「あと何日学校に行けばいい?あとどれくらい我慢すればサドベリースクールの日?」

サドベリースクールの体験日を楽しみに、学校に通っていました。

 

そして、体験日には1日中おもいっきりYoutubeで動画を見て、スッキリした顔で帰ってきました。

「あそこだったら、ぼく寂しくないんだ」

学校に通っているときと比べて、晴れやかな顔になっていく次男。

そんな次男を横目でみつつ、私はものすごーく複雑な感情でいました。

 

このまま、学校に行かなくなってしまっていいのだろうか・・・?

サドベリースクールに通ったとして、この子の将来はどうなってしまうんだろうか・・・?

最悪、ひきこもり!?

30代、40代のおっさんになっても働きに出ず、うちで養うなんてことになってしまったらどうしよう・・・?

 

よくある「ひきこもりルート」を想像してしまい、気が重くなるばかり。

サドベリースクールは、“逃げ”にならないだろうか?

“逃げ”をここで選択して、一生逃げ続ける人生になってしまわないだろうか?

 

サドベリースクールという、非常識な道を選ぶことに不安が募っていきました。

 

そこで、サドベリースクールの存在を教えてくれたセラピストさんにお願いして、『実際にサドベリースクールに子供を通わせているお母さん』と話をする機会を作ってもらいました。

そのお母さん(以下、 Tさん と呼ぶ)は他県に住んでいる人だったので、スカイプで話をしました。

Tさんの子供は中学2年生と小学4年生で、「中2の長男は小5でいじめにあって不登校になり、サドベリースクールに通うようになった」とのこと。

私は、Tさんに疑問をすべてぶつけました。

 

  • 息子がサドベリースクールに通うことになりそうだけれども、不安が大きいこと。
  • 読み書きや計算を教わらずに大きくなって困らないのか?
  • やりたいことばかりやっていて、本当に大丈夫なのか?

 

Tさんは、ひとつひとつ丁寧に答えてくれました。

 

●うちの次男のように「自分のやりたいことがはっきりわかっている子」は、サドベリースクールが合っていること。

●時がきて、子供自身が「これは必要だ!」と感じれば、勝手にやりだすこと

(中2のお子さんは、ゲーム好きからプログラマーになりたい!と思ったときに高校受験を考えはじめ、受験勉強を勝手にはじめた)

●やりたいことをやっているからこそ、やりたいことを貫くために将来を真剣に考えるということ

●会社にやとわれずに稼ぐ方法もあるのだから、学歴はあまり気にしなくていいこと

(Tさんはシングルマザーで個人事業主。仕事を自分で作り上げて生計を立てていたので、会社に依存しない生き方もあると教えてくれた)

 

Tさんのお話を聞いて、サドベリースクールに通うことへの不安は、少しずつ軽くなっていきました。

 

「そうか、うるさいこと言わずに子供の人生は子どもに任せればいいんだ。

私自身も、親に口うるさく言われたことは嫌々やってたしな。

自分で『やろう!』と決めたことなら頑張れたな。 」

 

と、納得しました。

また、自分の過ちにも気づかされました。

 

Tさん。そして、サドベリースクールの考え方は、「究極的に子供の生きる力を信じること」。

私は、次男に対して、「誰からも愛される子で、成績もよくて、将来お金に困らない生活をしてほしい・・・」と思っていました。

だから、次男のことを「どうにかしなくちゃ!」と思っていたし、そのために子育て講座を受けたりしていた。

私の「思い通りの、理想の子供にする」ために。。。

 

私は、私の勝手な理想像を、子供に押し付けていたんです。

 

次男には次男の人格があるのに、私は次男のことを全く見ていなかった。

見ようともしていなかった。

そんな自分の愚かさに気付き、恥ずかしくなりました。

 

何が親だ!何が「私は子供のことを想って」だ!

これまで「なんで私の言う通りの子供にならないの!」と、次男の人格を否定し続け、傷つけてきてしまった。

私は・・・最低な母親だ・・・

 

自分の愚かさにめまいがして、母親としての自信が一気になくなり。

申し訳なさから、消えてしまいたくなりました。

 

だけど、「母親をやめる」なんてことはできない。

投げ出すことなんてできない。

だからこそ、変わろうと思いました。

 

子供の人生を思い通りにコントロールしようとする親から、子供が自分で選ぶ人生を応援する親へーー

 

ここから、母親としての孤独な戦いがはじまっていきます。

 

(つづく)

 

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6.不登校を取り巻く現実。「息子の意思を尊重」はクレイジー?

 

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